はなのいろは うつりにけりな いたずらに わがみよにふる ながめせしまに
言葉を文字通りに解釈しても意味が通じ、それがまたもう一つの意味を持っているという、暗喩の技法を使った典型的な歌。
花の色が、長雨の間に変わってしまう、という文字通りの意味の裏に、女性としての美しさが、人生の流れと共に、消えていってしまう、という意味が隠されている。
ちょうど真ん中におかれている、徒らに、がよく効いている。その前後の語句を、自然に結びつけている。
ながめ、という長雨とかけている部分は、雨という言葉が、女性の涙も連想させる。
雨とは、農耕民族にとっては、恵みの象徴であるはずだが、貴族社会においては、余計なもの、うっとうしいもの、という存在になっている。
美女伝説が残されている作者の歌ということも、よけい、この歌の裏の意味を、趣の深いものにしている。
0 件のコメント:
コメントを投稿