2013年6月21日金曜日

10. これやこのいくもかえるも

これやこの いくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき

逢坂の関において、人々が行き交う様子を読んだだけの歌だが、ことばの繰り返しが頻繁に行われ、独特のリズム感を醸し出している。

別れる、知らない同士、という部分が、人生の無常観を暗示している。暗示という点では、1つ前の小野小町の歌との共通点がある。

逢坂の関、という実在の地名があることで、そこに行ったことがある人は、その風景を思い出し、そうでない人は、この歌から情景を想像する。

地名に染み付いたイメージを使って歌を作っている。

前の歌と同様、ここでも、真ん中の、別れては、が効いている。行くも帰るも、という部分と、知るも知らぬも、という部分を、自然につなげている。

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