2014年1月15日水曜日

34. 藤原興風

藤原京家の一族で、参議・藤原浜成の曾孫。相模守・藤原道成の子。

自分も相模守となり、他の地域の地方官を歴任した。官位は正六位上と低かったが、和歌と管弦にすぐれ、三十六歌仙の一人に数えられている。

34. だれをかもしるひとにせむたかさごの

だれをかもしるひとにせむたかさごの まつもむかしのともならなくに

誰をかも知る人にせむは、すでに年老いて、知っている人はすでに故人となっていなくなってしまったので、誰を友達にしたらいいのか、ということ。

年老いたことを、極端に表現して、古いことの例えとして、有名な、高砂の松を引き合いに出している。

単に、年老いたことをなげいているだけでなく、高砂の松、という誰もが知っている名物を詠っているのが、この歌をユーモラスなものにしている。

33. 紀友則

紀貫之の従兄弟にあたる人物。

貫之とともに、『古今和歌集』の選者の一人だったが、完成を見ずに亡くなった。


33. ひさかたのひかりのどけきはるのひに

ひさかたのひかりのどけきはるのひに しづこころなくはなのちるらむ

この句集の中でも、よく知られた歌の一つ。

のどかな春の日、というのんびりとした言葉と、花が散る、という悲しい言葉との対比が美しい。

誰もが、この歌を聴いただけで、その場面を思い浮かべることができる。

しず心は、静かな落ち着いた心、花を散らすようなことはしない心、という意味合いだろう。桜を、人間に例えている。