2013年12月28日土曜日

28. やまざとはふゆぞさびしさまさりける

やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば

実にシンプルに、冬の季節の山里の寂しい様子を歌っている。四季を通じて寂しいのだが、特に冬は、という部分が、”ぞ”に出ている。

人目も枯れ、草も枯れ、という部分に、その寂しさが凝縮されている。

人間と植物を、同じ視点で扱っているのは、この時代に共通の感覚なのだろう。

この歌を作った人物の境遇を知ると、山里というのは、実際の山里と、自らが置かれた境遇の二つの意味があるようにも思える。

27番の歌とは、そちらが滔々と流れる川を歌っているので、対比的にも見えるが、古都の瓶原を歌っているという意味では、共通する部分も感じられる。

この歌集の中でも、屈指の名句の一つだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿